TPiCS導入支援プラン

小規模製造業様、中小製造業様にとってシステム導入は本業ではなく、どのような方法で進めればよいのか手探り状態になってしまいます。特に生産管理システムは求められる生産管理要件、業務機能要件が企業ごとに異なり、TPiCSもそれに応じ高度な機能と可変設定を実装しています。お客様の業務理解とシステム機能理解の両方が必要となり、そして経験に基づく適切なシステム導入の方法論が求められます。

■導入支援プロセス

現状のありのままをヒアリングし業務分析を行います。ステムに対する要求に、単純に操作説明をしても安定運用になりません。システムの操作が業務の答えではなく、どのような業務なのかを捉えて運用を整理することが重要になります。

生産管理業務の歴史経緯の中でなぜその業務処理になったのか、必ず理由がある筈です。その理由を理解した上でシステム導入の目的に照らせば、業務の方法論は選択肢に展開します。手段を精査・検証し適切な業務運用を導き出し、そして、確定した業務方法は運用においてぶれてはならないものとなります。

概ね以下のプロセスで業務運用を定義していきます。
 1.ご訪問して現状業務をヒアリングします。
 2.持ち帰り作業で以下の分析作業を行います。
  ①現状業務分析・解釈
  ②選択肢検討
  ③システム適用、仮運用定義
  ④ご説明用資料作成およびサンプルデータ作成
 3.ご訪問して検証作業の打ち合わせとなります。
  ①サンプルデータを用いた業務運用ご説明
  ②業務検証
 4.結果は「TPiCS新業務フロー」と「TPiCS運用定義書」にまとめます。

■主要ドキュメント

「TPiCS運用定義書」

  • 業務運用定義
    • 導入支援の中心となるドキュメントで、ヒアリング・業務分析による現状業務の認識を起点として、TPiCSを用いた新業務を定義します。
    • システム導入により新規に出現する基準情報管理業務(マスタ管理業務)、EDI受注などを含め、受注・出荷、伝票発行(指示書・注文書・外注依頼書)、実績計上(生産・仕入・外注)、債権債務、原価管理、棚卸、他システム連携など、業務種類ごとに通常業務のみならず例外業務についても網羅するTPiCSによる業務運用設計となります。
    • 同時に、画面イメージと操作手順をもって具体的な操作を表現し、各業務担当者の運用操作の礎となる資料として作成します。
  • システム運用定義
    • TPiCSのパラメータ設定やシステム設定、バックアップ運用などを定義しシステム管理者の管理資料を作成します。

「TPiCS新業務フロー」

ヒアリング・業務分析による現状業務の認識を起点として、TPiCSを用いた新業務フローを定義します。

システム導入により新規に出現する業務機能を含め日次業務、月次業務、他システム連携などを業務種類ごとにフロー化し「TPiCS運用定義書」につながる概要把握を行います。

現状業務分析シート(中間資料)

ご訪問後に持ち帰り作業で分析作業を行い、その際に中間資料が発生します。ご訪問時の内容を示す証跡となります。検討段階の方針・方向を示す内容で中間資料です。(最終的にご提出しますがご訪問都度の提出は行いません)

■導入支援プラン

① 小規模製造業向けプラン

  • 全12回~42回(期間3か月~1年)程度のご訪問回数でご契約いただき、業務の流れをウォークスルーしながら運用定義を行っていきます。(※回数はお見積もりになります)
  • 初期段階ではまとめて現行業務調査させていただき、その後は週一回訪問で導入支援プロセスを繰り返します。
  • 全回数のご訪問と「TPiCS業務フロー」「TPiCS運用定義書」のご納品を以て導入支援の終了となります。

② 中小製造業向けプラン(事例)

  • 規模的に大きな案件につきましては、お打合せの上でご支援プランのご提案をさせていただきます。
  • 【事例概要】
    • 初めにFit&Gapフェーズを設けて本稼働までのスケジューリングを行い、その後、スケジュールに準じた本稼働までのプロジェクト支援のご依頼がありました。複数種類の製品ラインに対し、MRP・製番、トレーサビリティなど広範で高度なシステム導入事例であり、進捗管理、品番体系精査、データ移行などプロジェクト全体を対象範囲とし訪問回数62回で期間1年半程度のご支援となりました。
  • 【企業・プロジェクト】
    • 業種:金属加工業(大型ボールバルブ、特殊ボールバルブ)
    • 資本金:3,000万円
    • 売上:15億円
    • 従業員数:86名
    • プロジェクトメンバ:管理者1名、マネージャ2名、業務担当5名、コンサルタント1名、導入支援1名
    • 訪問回数62回(Fit&Gap8回、導入支援54回)

③ 初期導入支援プラン

  • 自社導入または外部経費をあまりかけらないお客様に向けた、初期導入支援(6回)のみを行うプランです。初期導入支援後は御社担当者様が業務分析、TPiCS運用定義を進めます。
  • 業務フロー・業務定義書などドキュメンテーション、タスク分析およびスケジューリング、マスタ構築方法、データ移行方法、外部システム連携、その他課題の洗い出しなどを回数内可能な範囲で実施し、導入支援の方法論を御社担当者に伝承します。
  • 初期導入支援プラン後に追加導入支援を行うことも可能で、初期導入を第一段階とした調整手段としての利用もできます。

■導入支援料金

ご訪問しお話をお伺いしてからのお見積もりになります。お客様ごとに調査分析対象の範囲やドキュメントが異なり、スタートパック・オプション、EDI・連携システムなどを含め概要調査の上での導入支援費用をご提示します。また、導入支援料金以外にティーピクス製品価格、ティーピクス研究所研修費、データベース製品価格(有料製品使用の場合)、インストール作業費、移動交通費・宿泊費、その他を含めてご提示いたします。

低価格にするため小規模製造業向けの導入モデルをご用意しておりますが、対象条件がありますので詳しくはお見積もりになります。以下の例は訪問10回としては金額上限のケースです。一般のSEサービスの単価と比較すると高めの設定だと思います。その主な理由は営業コストですが、TPiCS導入支援そのものが特殊スキルであり一般のSEサービスとの比較ができません。

  • 参考見積もり単価(人日工数)  ※ご契約は作業工数ベースではなく訪問回数ベースになります。
    • ご訪問(ヒアリング、デモデータを用いた業務運用説明、業務検証):6万円/日
    • 分析・デモデータ作成・ドキュメント作成:6万円/日
  • ご訪問10回(期間3か月程度)の場合の導入支援費(金額上限のケース)
    • 導入支援費用150万円
      • ご訪問10回
        • 内容:ヒアリング、デモデータを用いた業務運用説明、業務検証
        • 6万円×10日
      • 分析・デモデータ作成・ドキュメント作成作業15日
        • 内容:業務分析・デモデータ作成・業務定義ドキュメント作成
        • 6万円×15日

■留意事項

  • 大変恐縮ではございますが、限られた回数でのご支援となるため以下のような点にご留意いただきたくお願い申し上げます。
    • マスタ入力など作業面のご支援はできません。
    • データコンバートツール検討などはご支援させていただきますが、プログラム開発が必要な場合は別途ご相談となります。
    • TPiCS標準機能の伝票カスタマイズの操作指導は可能ですが、現場との調整およびカスタマイズ作業は含まれません。
    • スタートパックご利用の場合は全ての機能のご説明は網羅できないため対象の絞り込みを行います。
  • 曖昧さが排除しきれない事象につきましては誠意を持って対応いたします。何卒よろしくお願い致します。

■保守契約

小規模企業様をご支援するため継続的な保守契約をお願いしていますが、ティーピクス研究所との保守契約も必要となりますので都度ご提案・ご相談させて戴きます。